COLUMN
「自立型共創社会」という新時代【社長コラム】

CATEGORY:4.経営・マネジメント

TAG:小林広治 戦略 本質論

DATE:2017.04.20

「自立型共創社会」という新時代

今日4月20日で、当社は17歳になりました。人で言えば、高校2年生、成人まであと3年です。

さて前回ポスト情報化社会」の、AI化社会」に向けて、時代は急速に移行している、という話をしました。

また、その変化のスピードは、「工業化社会」を参考にすると、これまでの変化を遥かに凌駕するようなスピーディかつ劇的な変化になるだろう、という話もしました。

また補足的ではありますが、今まで「情報化社会」と呼んできた時代は、もっと大きなくくりとして「コンピュータ化社会」と表現でき、その前半部分を「指示命令型コンピュータ化社会」、そして、これからは「自立型コンピュータ化社会」と言うことができそうだ、という話もしてきました。

そして、最後に、「もっと大きな社会変化」が起ころうとしている、という話で終わりました。今回は、その続きをお伝えしたいと思います。

まずは、これからの時代をまず想像するところから始めたいと思います。

前回までの話で「情報化」だけでは付加価値を生み出せない時代になった、

という話をしてきました。そして、これからは「情報×情報」で「考える」「思考する」ということによって、新しい付加価値を生み出す時代、と言うことも少し触れました。

実は、このような新しい時代を的確に表現した言葉で、これ!という言葉は私的にはまだありません。みなさん色々な表現をしており、私もどれが最適な言葉なのかずっと探してきました。例えば、ドラッカーは「知識社会」という言葉を使っていました。他には「知識創造社会」という言葉を使う方や、一時私が使っていた「知的生産性社会」という言葉などもあります。しかし、使っているうちにいまいちピンとこない感じがどうしても否めませんでした。

「知識社会とは、知識の社会?知識中心の社会?まぁ間違いではないけど・・・」

「知識創造社会とは、知識を使って創造する社会?でもそれって当り前な気が・・・」

「知的生産性社会とは、知的な生産をする社会?まぁそうなんだけど・・・」

そんな中で、ようやく「これだ!」と思った言葉が見つかりました。それは、コトラーの「マーケティング3.0(朝日新聞出版)」の中にでてきた「クリエイティブ社会」という言葉です。

これは、リチャード・フロリダというアメリカの社会学者の言葉で、「これからは「クリエイティブ・クラス(≒ドラッカーのいう「知識労働者」)の時代だ」ということを「クリエイティブ・クラスの世紀(ダイヤモンド社)」という本の中で論じています。

「クリエイティブ社会」つまり、日本語に訳すと「創造社会」。シンプルな表現でこれでいい気がしました。がしかし、これもしばらく使っていたら、また少し違和感が出てきました。何か物足りないのです。

一人で創造することは、今までもあった。でもこれからの時代は・・・」

そこで、思いついたのが、「チーム」で「創造する」という意味で「共創」という言葉です。ちなみに、なぜ「チーム」で、なのか、については次回お話ししたいと思います。

では、早速「共創社会」をgoogleで調べてみたところ、言葉自体はありました。検索ヒット数は18,100件(2017年4月2日現在)なので、結構使われています。

私は毎月どの程度ヒットするか調べているのですが、この言葉はいま徐々に増えてきているので、この言葉が定着する可能性は高いのでは、と思っています。

しかし、私は更にこの言葉に「自立」という言葉を敢えて付け加えて「自立型共創社会」と名付けることにしました。この言葉は2017年4月20日現在、私のブログ以外にはヒットしないので、私が名付け親と言えると思います。

ただ、この言葉は、「白い白鳥」と表現するようなものだ、ということを自分でもわかっています。なぜならば、そもそも「共創」するためには、チームの仲間はみんな「自立」していなければならないわけで、「自立」というのは暗黙的に当たり前の前提条件なのです。

つまり、「白鳥」をわざわざ「白い」という必要は、本来はないわけです。

しかし、いま時代が変化しようとしている今、まだまだ「自立」できていない人が多くいます。それは、いままでの時代が「自立」を要求してこなかった、むしろ「自立」を敢えて阻害してきたことが原因だと思っています。

そこで、いま特にこの時代の過渡期においては、敢えてその暗黙的前提条件を意識付ける意味で「自立」という言葉を付け加える必要があると考えたわけです。もしかすると、10年後、20年後には「共創社会」という言葉だけで十分かもしれませんが、今は敢えて「自立型共創社会」と私は表現したいと考えました。

ちなみに、「自立型共創社会」に対して、今までの「自立」を阻害してきた旧時代のことを「指示命令型競争社会」と私は名付けました。これも今日現在私のブログ以外にはヒットしないので、私が名付け親ということになりますが、感覚的に今までの時代を表現していると思いませんか?

つまり、ピラミッド型の組織構造の中で、一部の特権階級がその下の階級に対して支配的に命令し、下の階級はその組織に依存し、上からの命令に従順に従う社会、ということです。

これは、例えば、私たちの教育システムもそうでした。先生が教壇の上から、一方的に話をし、私たちはその情報を一方的に鵜呑みにする。そして、先生の言うとおりに答える生徒、言うとおりの行動する生徒がいい生徒であり、逆に、何か先生の言うことから外れたことをすると、悪い生徒、となる社会です。

少しづつ先進的な組織は「自立型共創社会」に適用できるような変化が進み始めていますが、でもいまだにほとんどの学校、企業、社会はこの「指示命令型競争社会」にどっぷり浸かっています。

でも、歴史を振り返ると、このシステムは、ここ最近というわけではなく、人類が始まってからずっとそうだったのではないか、と思います。

農耕社会に入っても、ピラミッドを創っていた時も、戦国時代も、近現代も。つまり、人類は今までずっとわずかな特権階級がその支配権を握り、その他大勢を支配してきたわけです。また逆に支配される側もその体制に依存し、そこから自立することを考える人はほぼ皆無でした。

また、20世紀のモノを大量生産することでビジネスを行ってきた時代は、これでよかったのだと思います。変にあれこれ考えてモノを言われるよりも、ただ黙々と作業してくれる人材、つまりロボットのような人を、企業や社会は求めていたのだと思います。

ある管理職が「私は手がほしいのに、なぜ頭がついてくるんだ」と愚痴を言った、という笑い話があるくらいです。

しかし、時代は、「考える」ことを要求し始めています。言われたことを言われた通りにしかできない人は、どんどん高度化するロボットに置き換わっていきます。

そして、それと同時に、人類は「工業化社会」と「情報化社会」を通じて、「モノ」と「情報」を「民主化」することができたわけです。

企業の経営資源で言えば、ひと・モノ・カネ・情報とよく言われますが、このうちの「モノ」「情報」は誰でもほぼ対等に手に入れることができるようになったわけです。

しかも、「カネ」についても、「情報」が「民主化」したことで、「クラウドファンディング」のようなツールも出てきましたので、誰でも簡単に資金調達できるようになりました。重要なことは、地位ではなく、人に「共感」されるアイディアを出せるかどうか、ということになります。

これからは更にフィンテックの技術が進化すれば、もっと手軽に、そして簡単に資金調達ができるようになっていきます。したがって、会社を経営するうえでの制約は、最後「ひと」だけになったわけです。

情報インフラが完成したいまにおいては、「やろう!」と決めさえすれば、誰でも簡単に事業を始めることができます。しかも、全世界の99.7%のひとが携帯電話という端末でインターネットに接続されているわけですから、たった一人でも世界を対象にしたビジネスもできるし、資金調達もできるわけです。

繰り返しますが、もう既に「モノ」「カネ」「情報」は、制約条件ではない、ということです。重要なのは、「やる気」

そして、全世界の人たちに「共感」してもらえるか、です。「いいね!」されれば、「ひと」「モノ」「カネ」「情報」の全てが得られる時代です。

また、それを活かせる平和な時代も70年以上続いています。少し歴史を振り返ればよくわかります。いま人類は、永い年月をかけて、ずっと望んでいたことのほとんどを手に入れている時代と言えます。この安定した平和な時代がずっと続けばいいな、と心の底から思います。でも、もしかしたらこれから秩序が崩れる何かが起こり、500年後の歴史の教科書では、今の時代は「人類にとっての黄金時代」と言われるかもしれません。そのときに、彼らはきっと口ぐちに言うでしょう。

 「この時代に生まれた人はいいよね。」
 「何でも好きなことが思う存分できたんだろうね。」
 「うらやましいね。」

今の時代、これだけのものを手に入れながら、私たちは、まだ何か不満があるのでしょうか? そんな不満を彼らが聞いたらなんて思うでしょうか? 私は、そんな彼らに対して、こう言いたいと思っています。

 「ほんとに最高の時代に生まれさせてもらって、最高に楽しい人生を満喫させてもらったよ!」

鎖に繋がれた小象の話や、透明な仕切りを入れた水槽の中のカマスの話を聞いたことはありますか? 子どものころから鎖に繋がれた小象や、水槽に見えない透明の仕切り板を入れられたカマスは、最初その制約となる鎖や仕切り板に対して、懸命の努力をします。

しかし、そこからの自由が得られないと一度判断してしまうと、その後その制約となる鎖や仕切り板を取り外しても、自由に動こうとしない、という話です。

これは人も同じです。もう既に、私たちを縛ってきた鎖も仕切り板も何もありません。今日始めよう!と思ったら今日始められます自分の思ったことを、思った通りに挑戦できるのです。でも、多くの人がやりません。。。そして、今の環境に愚痴を言うばかり。。。

たしかに、新しいことを始めること、今まで慣れ親しんだ世界から飛び出すことには勇気がいります。しかし、その先に広がるパウダースノーな世界を想像して、ぜひ勇気を持って飛び込んで欲しいと思います。

その時、もし自分の勇気が足りなければ、私のように、何かの占いや誰かを持ち出せばいいと思います。とにかく今の場所から離れることです。

私は自分の活動を通じて、一人でも多くの人が、「仕事って楽しいよね!」と思える社会を創りたいと思っています。それができる環境はすべて揃いました。

あとはそのボタンを押すか押さないか、です。それは、あなた次第なのです。

是非、あなたと一緒に、人類の黄金時代を存分に満喫したい、と強く願います。

そして、500年後の子どもたちに、いまの黄金時代を、しっかりと引き継いでいきたいと思います。

 

「いきいき!わくわく!働ける未来」のために。

ご参考になれば幸いです。

以上、キズナキャスト小林でした。

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今回の主な論点

①新時代は、チームで「創造」することで付加価値を生み出す共創時代
②新時代は、真のチームを作るために「自立」がキーワードに。
③新時代を、「自立型共創社会」と名付けた
④今は人類にとっての黄金時代。せっかくなので存分に満喫しましょう!

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