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これを外したら生き残れない!シン時代における企業戦略の本質「3つの基本戦略」 | 社長コラム

これを外したら生き残れない!シン時代における企業戦略の本質「3つの基本戦略」

キズナキャスト小林です。 input

今年は、コロナだけではなく、バッタの大量発生や、豪雨被害など、地球規模の自然災害が広がっています。

改めて自然の脅威を感じるところですが、でもこれは人間から見た視点です。

先日、経営コンサルタントの神田昌典さんの経営する会社の幹部のお一人である高須賀さんとのランチ会を行った際に、「地球という生命体から捉えたら、人間が癌細胞で、コロナは免疫細胞かもしれない。」という視点をいただきました。

この視点から考えると、私たち人間の生命そのものとしてのあり方や存在意義をもう一度ゼロベースで本気になって考えるべき時がきているのかもしれません。

でも実は、この時代の変化は、今回のコロナが引き起こしたものではなく、すでに始まっていた変化を加速させているだけ、というのが当社の捉え方です。

P.F.ドラッカーのいう、「すでに起こった未来は、体系的に見つけることができる」を実践する事で、当社は5年ほど前から、この時代変化を捉え、この変化に備えるようお伝えし続けてまいりました。

そこで今回、シン時代に生き残るための企業戦略の本質として、当社が現場でお伝えし続けてきた「3つの基本戦略」というものをご紹介いたします。

ちなみに、「戦略」という言葉は、抽象的で曖昧ですが、私たちは「方向付け」と定義しています。つまり、「3つの基本戦略」とは、シン時代に適応するために、どう方向転換を図るべきか、そして、どこに向かうべきなのか、という意思決定をするための基本的な考え方と言えます。

ぜひ、これからの重要な意思決定をなされる際のご参考にしていただけましたら幸いです。

シン時代の重要な3つの基本戦略

  1. 三方よし戦略
  2. 自立共創戦略
  3. 志戦略

1.三方よし戦略

近江商人

まず、1つ目の「三方よし戦略」についてご説明します。

これは、今回お伝えする3つの基本戦略の基盤となる考え方になります。

「三方よし」とは、元々は江戸時代の近江商人が大切にしていた考え方で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という考え方です。

この「三方」とは、横文字で言うと、「マルチステークホルダー」と言うことになると思いますが、昨年2019年8月のビジネス・ラウンドテーブルで「株主第一主義を見直す」ことを宣言 launchされたり、今年2020年1月には、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では「ステークホルダー資本主義」について議論 launchされたりと、世界的にスタンダードな考え方になりつつあります。

つまりは、これまでは「会社は、株主のもの。」という考え方がベースで、すべての意思決定は、株主から評価されることを中心になされてきました。

したがって、従業員を解雇してでも、短期的な利益をあげ、その利益を株主に配当し、経営者もその成果に対する報酬として高額の役員報酬を手にする、ということが当たり前のようにまかり通っていたわけです。

これを俯瞰してみれば、これまで一生懸命会社のために働いてきた人たちの給与を、経営者や株主が無理やり奪い取っている、と言っても過言ではありません。

このようなやり方が、その企業にとって、社会にとって、持続可能な仕組みとして続けられる、と考える方が、むしろ不自然だとわたしは考えます。

社会には、常に理不尽なことを調整する仕組みがあります。今回のコロナで、その調整がさらに強く働いている段階に入ったように感じます。

これからは、「会社は、みんなのためのもの。」という考え方に、急速に変わっていくと考えています。

もちろん、この時代の流れは、ある日突然右から左に切り替わる、というものではなく、徐々に浸透してきています。

実際に、これまでの社会の流れを見ると、「売り手よし」について、そこで働く従業員のことも考えるようになりつつあり、最近は従業員満足度やエンゲージメントを意識する企業も増えてきています。

また、「買い手よし」については1970年代以降から「顧客主義」と言われ続けてきました。

そして、「世間よし」については、「CSR(社会的責任)」、「CVS(共有価値の創造)」、「ESG(環境・社会・企業統治)投資」のように時代の流れとともに、深化しているように感じます。

つまり、「三方よし戦略」は、これまでもその流れはあったものの、これからは今まで以上に、より強く「みんなの会社」という意識が重要になる、と理解してください。

具体的に言うと、

  • 社長のために、従業員が我慢している
  • 自社の利益のために、顧客に無理を強いている
  • 顧客の無理をきくために、従業員や、下請け、パートナー企業が死にそうになっている。
  • 顧客に対して、目先の利益、目先の満足感を与えているが、長い目でみたときに社会的悪影響がある

これらは、誰かが得をするために、他の誰かが犠牲になっている構図です。このような事業や企業は、これまで世の中で至る所で見受けられました。

しかし、これからは、この「当たり前」はどんどん崩れてきますので、このようなことをしていたら、今後の生き残りは危険です。

ぜひこの機会に、日々の意思決定が「三方よし」になっているかどうか、経営に関する意思決定から現場で行われている意思決定まで、1つ1つ丁寧に見直していただければと思います。

2.自立共創戦略

自立共創戦略

2つ目は「自立共創戦略」です。

これは、いまの時代の流れに適応するための基本戦略であり、シン時代に生き残る上で、基本的かつ重要な考え方として、当社が独自でお伝えしているものになります。

「自立共創」という言葉は、3つのキーワードで構成されています。

まず、1つ目のキーワードは「自立」です。

「自立」とは、一言でいえば「自分とは何か?」という問いに向き合い続けることです。

この問いに向き合うとは、「自らの歴史」「自らの強み」「自らの想い」は何かを問うことです。これを知り、理解し、受け入れること。これが最初の一歩になります。

そして、これができて、はじめて、これから進むべき「自らの理想的な未来」という目標設定を明確化することができます。

つまり、「自社とは何か?」「自分とは何か?」という問いに一社一社、一人ひとりがしっかりと向き合い、自らを再定義すること。そして、それぞれの進むべき方向を確認すること。

これが、自分の足で立つ、つまり「自立」であると私たちは定義しており、いまこそ一社一社、一人ひとりが「自立」すべき時である、というのがこのキーワードに含めている意味となります。

2つ目の「共」とは、「ともに」です。

つまり、「チーム」「組織」「共生」「共働」「共創」「共感」「共鳴」「共振」、などに繋がるキーワードで、これまでの自己中心的かつ独善的な価値観から、もっと大きなチームや組織、そしてコミュニティなど、集団として考える必要にあることを意味しています。

わかりやすい例でいうと、SNS時代になってよく使われる「シェアする」という考え方が、まさに「共」の考え方になります。

そして、最後の3つ目のキーワード「創」は、「創造」つまり「クリエイティブ」な時代を意味しています。

人類は、産業革命以降、画一的な大量生産社会を過ごしてきましたが、これまでの社会で求められてきたのは、「言われたことを、言われた通りに、少しでも早く、より正確にミスなく、ただ黙って行動する」ことです。

このような時代においては、つまりは「自分で考える」ということはむしろ悪であり、結果として多くの一般の人々は「考える」を放棄してきたと言えます。

しかし、これからは、「考える」こと、つまり「クリエイティビティ(創造性)」が求められる時代です。

今まで「考える」ということを職業にしてきたのは、一部の「芸術家」や「研究者」くらいでしたが、これからはすべての人が「考える」をしなければなりません。

そう言う意味では、いま急速に「考える」ことの研究が、脳科学や心理学などをベースに進んできています。まさに「”考える”を考える時代」であり、「考える」をもっと科学し、創造性を再現可能にして、知的生産性を誰もが高めていく時代と言えます。

ちなみに、この「考える」という仕事は、一人ひとりの存在価値と存在意義を高めるための、人として大切で貴重な行為だと考えています。

なぜならば、これまでの大量生産社会において、言われたことを、言われた通りに、上からの指示命令を忠実に実行するだけの仕事なら、自分である必要はありません。他の誰にでも代替えの効く存在でしかなく、自分はいわば機械の中の1つの部品のような存在です。

しかし、「考える」という仕事は、一人ひとりの過去の経験や、持っている知識、そしてひらめきによって付加価値を生み出す行為ですので、代替えの効かない「その人らしさ」の固まりです。

私たちは、大量生産に最適化された旧時代を「指示命令競争社会」、それに対して一人ひとりがいきいき!わくわく!アイディアを出し合えるシン時代のことを「自立共創社会」と名付けました。

シン時代「自立共創社会」とは、まずは企業も個人も、それぞれの存在意義を明確にし、本当の意味で自立する時代。

そして、独善的に我が道を行って孤立するのではなく、同じ目標・ビジョンを共有できる仲間とともに、それぞれの強みを活かし、新たな付加価値を創造し、それぞれの存在価値と存在意義を高める時代、とイメージしています。

つまり「自立共創戦略」とは、このシン時代「自立共創社会」への変化の流れをしっかりと理解して、これからの意思決定をしていきましょう、という考え方になります。

まずは「自分とは何か?」 ぜひこの問いに向き合うところから始めていただければと思います。

3.志戦略

志戦略

そして、最後の3つ目の基本戦略が「志戦略」です。

日本語で、目標設定する言葉として「夢」がありますが、夢はどちらかというと自分主体的な目標設定になりがちです。つまり、◯◯になりたい! 事業を大きくしたい! とか、稼ぎたい! とかがそれです。

それに対して、「志」とは、「世のため、人のため」の要素が加わり、目的を伴った目標設定になります。つまり、

「誰のために、何のために、なぜ、◯◯になりたいのか?」

「誰のために、何のために、なぜ、事業を大きくしたいのか?」

「誰のために、何のために、なぜ、稼ぎたいのか?」

この問いの先にあるのが「志」であり、それは、先にお伝えした「自分(たち)とは何か?」の問いの先にある、自らの理想的な未来、目標、ビジョンのことでもあります。

そして、この目標に組織を方向付けることを「志戦略」と呼んでいます。

つまりは、いま時代の流れ的に「自分とは何か?」という問いに向き合い、「自立」するために、自己の再定義をする必要がある時代である、というお話をしてきましたが、その1つの要素としての「目標設定」は非常に重要です。

その際に、1つ目の基本戦略の「三方よし」に基づいて、目標設定すべきであり、それが「志」と定義されるものになるわけです。

また、この「志」を明確にする事で、「共」も得やすくなり、大きな成果を実現する可能性が高まることも大事なポイントです。

ただ、今の時代の空気感でいうと、この「志」を重々しく捉えるのではなく、軽やかに楽しむ、くらいがちょうど良いと思っています。

つまり、「志戦略」とは、自らの三方よしの「目標(=志)」を、しっかりと明確化、言語化し、その目標に向かって組織全体を一貫性と一体感をもって方向付けること、そしてそれを楽しみながら進んでいくこと、それを意識していただくための考え方となります。


以上、これを外したら生き残れない!シン時代の重要な3つの基本戦略についてお伝えしてきました。

ちなみに、この3つの基本戦略から見えてくるのは、これからは「ホンモノ」しか生き残れない時代に入った、ということです。

「ホンモノとは何か?」

わたしは、自分自身が何のために生きているのか、を問い続けていた時期があります。その時に、1つの答えにたどり着きました。

「すべてのひとは、幸せになるために生きている。」

もしこれが正しいとすると、全てのものごとは「幸せにするため」に存在していなければいけないことになります。そして、それは特定の誰かのための幸せではなく、誰かを犠牲にした幸せでもなく、「すべてのひとを、幸せにするため」でなければならない。それが「ホンモノ」の定義だと、わたしは考えています。

つまり、「すべてのひとを、幸せにするためのビジネス」が「ホンモノのビジネス」であり、そうなれば淘汰されるはずがありません。つまり、持続可能な事業、存続する企業になれるわけです。

逆に、「すべてのひとを、幸せにするためのビジネス」でなければ、一時的な繁栄はあったとしても、必ずいつか淘汰される時がくるはずです。それをP.F.ドラッカーは、マネジメント[エッセンシャル版]の冒頭でこう表現しています。

「基本と原則に反するものは、例外なく時を経ず破綻する」

わたしは、この「基本と原則」を、「すべてのひとは、幸せになるために生きている。」と捉え、それができているのが「ホンモノ」だと考えています。

あと、追加で「ホンモノ」の定義を挙げるとすれば、「ウラがない」「ウソがない」「言行一致」です。

今日たまたま届いた他社のメールマガジンのタイトルに「最近の若い世代は、ミーティングを録音している」というものがありました。

これは、つまり「録音されたら困る」ことを話しているから、ここに意識が向いてしまうのだと思います。普段から話されていることが、ウラもオモテもなく、ウソもなければ、録音したければ、いつでもどうぞ! というスタンスでいられるはずです。

そして、言っていることと、やっていることが違う、なんて言われないように、高い理想を掲げたら、そこに向かってちゃんと「言行一致」させていく。

もちろん、最初から完璧なんて無理かもしれません。でも、それを目指して行動し続けているその姿勢は、必ず社員に伝わりますし、お客様にも、社会にも伝わります。

これを続けること。それが、これから生き残る「ホンモノ」だと私は考えます。

先日、7月4日に「第10回 次世代経営ラボ「教育問題を、次世代型経営で解決する 〜会社から社会に革命を〜 #3」【子どもと大人が、ともにこれからの未来を考える】(★リンク:https://www.kizunacast.co.jp/seminar/200704/)」を行いました。

当日、ゲストの高校生の一人から、最後の懇親会の場で、こんなお話をお聞きしました。

「コロナの影響で、よくも悪くも時間ができた。その時間のおかげで、本当に何が大切なのか、を考えることができた。」

きっとこの方だけではなく、多くの大人たちも、これまでの期間に、この問いに向き合ってこられたのでは、と思います。そして、また多くの方が気づき始めているのではないでしょうか。

「今まで考えていた”当たり前”って、実は”当たり前”じゃなかったんだ。」
「自分が、働く本当の目的は・・・」
「自分にとって、本当に大切なことは・・・」

産業革命以降、約300年近く「ホンモノ」でなくても繁栄できる時代が続きました。

しかし、時代は大きな修正局面に入りました。それは、「ホンモノ」以外が淘汰されていく時代。でも、ここで生き残る企業が、みんな「ホンモノ」だとすれば、その先にあるのは「すべてのひとが、いきいき!わくわく!働ける未来」。端的に言えば、「すべてのひとが、幸せになる社会」。

だからこそ、「三方よし」という最も大切な考え方を基盤に、まずは「自立」することで、自分たちらしさを明確にし、そして、しっかりと他者と社会へ貢献をする目的意識を明確な「志」として掲げ、そして同じ志をもつ仲間と「共」に、新しい付加価値を生み出すための「創」の活動をする。これが、3つの基本戦略が意味するところです。

ぜひこの変化の時代を生き残るために、これまでの過去にこだわることなく、一旦はすべて自己否定するくらいの気持ちで、今日お伝えした3つの基本戦略を軸に、もう一度自己定義から始めていただければと思います。

それが、結果的に、革新的かつ持続的な成果を上げるための一番の近道です。

よりよい未来に向かって。

みなさまとともに。

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