COLUMN
「誠実さ」とは何か?

CATEGORY:4.経営・マネジメント

TAG:本質論

DATE:2021.09.07

「誠実さ」とは何か?

キズナキャスト小林 inputです。

今回、当社の社内で、この「誠実さ」とは何か?について話し合う機会がありました。
簡単に共通の答えがでる、と思っていたのですが、実際に話し合ってみると、いろんな「誠実さ」があり、簡単ではないことがわかりました。

もしよろしければ、みなさんもこれを機会に、「誠実さとは何か?」について、考えてみてはいかがでしょうか? 結構、考えさせられると思います。

なお、今回も、社内で話し合いをする中で、メンバー一人一人が自分の意見をしっかりと考え、発言してくれたことが、とても嬉しかったです。

なぜならば、ぼくが目指すのは「自立・共創型組織」であり、まずは一人ひとりが自分の頭で考え、答えを出す「自立」がその出発点だと思うからです。

また、単に自己主張するだけではなく、お互いの強みや意見、アイディアを活かしあい「共創」するというのが最終目標ですが、そのためには、違う意見を単に否定するだけではなく、お互いが歩み寄りながら、最善を目指す、という理想的な組織に近づいていると感じたからでもあります。

お互い違う意見を伝え合える関係性がこの会社にあることを、心から誇りに思いますし、嬉しく思います。そして、このような関係性を維持してくださっているメンバーのみなさんに深く感謝します。

これからも、何があったとしても、口を閉ざすことなく、口を閉ざすような環境や関係性にならないよう、お互い努力して、いつでも自由に発言できる場であり続けたいと思います。

テーマ:「誠実さ」とは何か?

下記のケースを参考事例として、「誠実さ」について考えてみてください。

先方のミスの場合

●想定ケース1:お客様から、請求額よりも多く振り込まれたが、返金しようと確認したところ、先方の経理担当者からは「こちらのミスなので、そのままお納めください」と言われた。

例1-1:こちらからの請求額11,000円に対して、
先方から11,100円が振り込まれた(100円過受領)

例1-2:こちらからの請求額11,000円に対して、
先方から20,000円が振り込まれた(10,000円過受領)

例1-3:こちらからの請求額11,000円に対して、
先方から110,000円が振り込まれた(99,000円過受領)

●想定ケース2:お客様から、請求額よりも少なく振り込まれた場合。まだ先方とのやりとりはしていない。

例2-1:こちらからの請求額11,000円に対して、
先方から10,900円が振り込まれた(100円不足)

例2-2:こちらからの請求額11,000円に対して、
先方から10,000円が振り込まれた(1,000円不足)

例2-3:こちらからの請求額11,000円に対して、
先方から1,100円が振り込まれた(9,900円不足)

当方のミスの場合

●想定ケース3:当社から、相手先に請求額よりも多く振り込んでしまった。

例1-1:相手先からの請求額11,000円に対して、
当方から11,100円を振り込んでしまった。(100円過支払)

例1-2:相手先からの請求額11,000円に対して、
当方から20,000円を振り込んでしまった。(9,000円過支払)

例1-3:相手先からの請求額11,000円に対して、
当方から110,00円を振り込んでしまった。(110,000円過支払)

●想定ケース4:当社から、相手先に請求額よりも少なく振り込んでしまった。

例1-1:相手先からの請求額11,000円に対して、
当方から10,900円を振り込んでしまった。(100円未払い)

例1-2:相手先からの請求額11,000円に対して、
当方から10,000円を振り込んでしまった。(1,000円未払い)

例1-3:相手先からの請求額11,000円に対して、
当方から1,100円を振り込んでしまった。(9,900円未払い)

上記想定ケースにおいて、どう行動するのが「誠実」か。というのが今回の問いとなります。

参考にですが、当社の全体会議では、大きく下記3つの意見に集約できました。

  1. 一貫性・継続性を重視する
    いついかなる時も、誰に対しても、同じ対応をする。
  2. 相手の要望を重視する
    相手からの要望通りに対応する。
  3. 相手への負担をかけないことを重視する
    相手にかかる金銭的・労力的・時間的な負担をできるだけかけないように対応する。

それぞれ読んでいただけると、いずれも、「誠実」な対応と言えるのでは、と思います。
しかし、それぞれは対立していて、どれかをとると、どれかを失わなければならない、という選択肢でもあります。

みなさんにとっての「誠実さ」は、どれが近いですか?
それとも全く別の選択肢がありそうでしょうか??

ぜひ、みなさまのご意見をいただけましたら幸いです。

PS.
参考に、小林の考えは、以下の通りです。
が、もしまだご自分の答えが整理できていない方は、ぜひご自分の考えを整理してからこの下をお読みくださいましたら幸いです。


ぼくのこれまでの価値観では、方針1)が一番が一番近いです。

なぜならば、ぼくが個人的にかなり意識している価値観の中に「一貫性」があります。
逆に言えば、「ブレブレ」な自分も許せないし、「ブレブレですね」なんて人から絶対に言われたくないからです。

何があっても、筋が通っている、そんな生き方をしたいと基本的には思っています。
もちろん、他人がみたときに、表面的な方法論とかを変えた部分をみて「ブレてますね」と思われたとしても、自分として、その中心軸にあるもの、深い土台の部分がブレていなければ、それで良いと思っています。

また、それに続いて、大事にしたいのは、以下の2点です。

  • 相手へ迷惑をかけない
  • 自分のミスに対しては真摯にその罰を受ける、という姿勢です。

以上の価値観に従って、まず「ブレない選択肢」を重視するぼくが真っ先に考えるのは「本質」です。

では、今回のケースで考えるべき「本質」とは何か?

それは、やっぱり「お金とは何か?」だと思うのです。

ぼくの定義は、「お金とは、期待と感謝を見える化したもの」というのが答えです。

原始時代でも、現代でも、お金を渡すときのことを考えると、マンモスの肉をもらって払う石のお金も、コンビニでパンを買って払うお金も、みんな「ありがとう!」という感謝の気持ちと、「また次回もよろしくね!」という期待の気持ちだと思います。

この話は、中高生への出前授業の時にも必ずしますし、ぼくのセミナーでも毎回お伝えしていることですが、いまだにこの「感謝と期待」以外のお金の定義は出てきていません。

この「お金の本質」をベースに、今回のケースを考えてみます。

まず、相手側のミスである、想定ケース1と2について考えます。

●想定ケース1:お客様から、請求額よりも多く振り込まれたが、返金しようと確認したところ、先方の経理担当者からは「こちらのミスなので、そのままお納めください」と言われた。についてです。

このケースは、当社が行ったサービス以上の振り込みがあったわけなので、過受領部分に対しては、そのお金に対するサービスが存在していないことになります。したがって、そこに「感謝」はないわけです。では、「期待」としてそれを受け取るか、というと、それは原則したくありません。なぜならば、次回の取引が確定しているのであれば、別ですが、原則毎月のお付き合いという緊張感を持っていたいからです。

したがって、過受領したのが1円だとしても、全額返金する、というのがぼくの考える原則です。振込手数料の方が高かったとしてもです。
なので、例1-1〜3ともに過入金分は全額返金する、というのがぼくの基本的な考えになります。

では、次に●想定ケース2:お客様から、請求額よりも少なく振り込まれた場合。まだ先方とのやりとりはしていない。について考えたいと思います。

原則に基づいて考えると、こちらのサービスに対して決められた対価が振り込まれていないので、「請求すべき」となりますが、ここは違います。大事にしたい価値の「相手へ迷惑をかけない」が働きます。

したがって、このケースでは、やはり、相手への負担を考えるべきです。

なので、例2-1で、100円不足くらいであれば、こちらで処理しちゃいます。相手にも伝えません。また、例2-2、例2-3のケースのようにそれなりの金額が不足であれば、例えば次回の取引が確定しているのであれば、来月まとめてでOKです。という柔軟性は見せたいところです。但し、あまり金額が大きかった場合は、追加で振込を依頼するケースもあるかもしれません。ここはケースバイケースで判断します。

では、今度は当社側のミスの想定ケース3と4について考えます。

まず●想定ケース3:当社から、相手先に請求額よりも多く振り込んでしまった。はどうでしょうか。

ここは基本的にこちらのミスですから、例1-1の「100円」であれば、先方の時間的負担、コスト的な負担を考えたら、返金をお願いすることはしません。「あー、やっちゃった。。。」と深く反省し、落ち込むことだけします。

でも、例1-2、1-3のように金額が大きくなった場合は、自社にも負担をかけるわけにはいかないので、平謝り&振り込み手数料はこちら持ち(つまりその額を引いた金額)で返金いただくことをお願いします。なぜならば、自社に大きな損害を与える、ということは、ある意味それを他のメンバーでみんなで拠出して補填しているようになってしまうので、それはしたく無いからでもあります。

ただ、もしこちらも継続取引が確定している場合は、そのまま預かり金計上してもらって、来月相殺してもらうようにお願いすることもあるかもしれません。相手側がどう処理したいか、ということもあるので、相手側との相談ベースで最終的に決めることになります。

<想定ケース4>は、こちらのミスで、こちら側で処理すればいい話なので、先方に一切迷惑をかけるわけにはいきません。したがって、たとえ100円であったとしても、振り込み手数料の方が高かったとしても、即入金します。

以上がぼくの考えだったのですが、こうして整理してみると、意外と一貫していないことに気づきますね。。。

そこで、改めて自分がどうしたいのか、どうすればより一貫性のある意思決定ができるのか整理してみました。

まずぼくの大原則は、

  • 他人のミスには寛大
  • 自分のミスには厳しく

でありたい。というのがあります。

そして、できる限りブレをなくすためには、目先ではなく、本質論で考えたい。ということです。

したがって、今回の事例でいうと、想定ケース1と2は先方のミスなので、できる限り寛大に、そして想定ケース3と4はできる限り厳しくありたい。というのが大原則です。

その視点で考えると、想定ケース1で、当初は「全額返金」を当たり前だと思っていましたが、相手の手続き上の負担を勘案すれば、継続取引のお客様であれば、当社側で「預かり金」計上して、翌月の請求等相殺する、という方法論もあったな、と思いました。

こうして整理すると、ぼくの意思決定は以下のようになっているようです。

  • 相手のミスの場合:相手に負担をかけない(心理的・時間的・金銭的)>本質論
  • 自分のミスの場合:本質論>相手に負担をかけない(心理的・時間的・金銭的)

あと、ぼくが常に意識しているのは

  • その行為を、他の人が知ったらどう思うか?
  • 友人に対しても同じことをするか?
  • 自分が同じことをされたらどう思うか?

です。

この辺りを踏まえて、できる限り一貫性のある行動、を心がけています。

以上、僕の考えになります(^^)

ただ、これが「正しい答え」では決してありません。

1つの参考意見として捉えて、みなさんご自身の考えを整理してください。

そして、一人ひとりの「誠実さとは何か?」を考え、そこから自分自身を知るキッカケになれば幸いです。

※もし内容に共感していただける部分などございましたら、ぜひ下記より「シェア」や「いいね」していただけませんでしょうか。そして、「いきいき!わくわく!働ける未来」に向けて共に行動できましたら幸いです。

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