COLUMN
不安と混乱の時代に、自らを助けてくれるのは本当の自分【社長コラム】

CATEGORY:4.経営・マネジメント

TAG:小林広治 戦略 本質論

DATE:2018.10.15

不安と混乱の時代に、自らを助けてくれるのは本当の自分

こんにちは、キズナキャスト小林です。

日々季節が秋めいてきておりますが、体調など崩しておりませんでしょうか?

朝晩の寒暖の差が激しく、先週はうちの娘も39度の熱に悩まされましたので、どうかいつも以上にお体にご配慮頂けましたら幸いです。

さて、先日「働き方改革は、生き方改革」というテーマで投稿致しましたが、その最後に「生き方改革の出発点は、あなた自身である」とお伝えいたしました。

それは、「理想的な未来」を描くのは、「自分自身」であり、何を持って「理想」とするのかを決めるのも「自分自身」だからです。

人の価値観が多様なのは当たり前です。

ということは、その先にある「理想」も人それぞれバラバラのはずです。

したがって、「どんな生き方をしたいのか?」そして、そのために「どう働きたいのか?」の出発点は「自分自身」である、という訳です。

では、なぜ「理想的な未来を描く」ことが大切なのでしょうか?

それは、この自分にとっての「理想的な未来」が、今後の自分にとっての「心のお守り」になるからです。

何度もお伝えしている通り、今時代は大きく変わり始めています。

右から左へ、黒から白へ、今までとは正反対への変化、というくらいの大変化だと私は考えています。

そして、そのことを、「支配依存型社会」から「自立共創型社会」への移行、と私は表現しているわけです。

では、このような時代の転換点において、何が起こるでしょうか?

一番大きなことの1つは、情報の錯綜です。

旧時代的な価値観と、新時代的な価値観の両方が入り乱れることになります。

ある人は旧時代的な価値観が正しいと言い、ある人は新時代的な価値観が正しい、という。

また同じ人であっても、ある時は右といい、ある時は左という。

メディアも同様です。

こうなってくると、自分の中で確固たる指針、価値観を持っていないと、その都度右往左往することになります。

そして、そのうち混乱してきて、何が正しいのかもわからなくなってしまうでしょう。

マネジメントの父と言われる経営学者のピーター・F・ドラッカーはこう言っています。

「転換期にあって重要なことは、変わらざるもの、すなわち基本と原則を確認すること。」

私はこの言葉についてこう理解しています。

「転換期の大変革期において、混乱しないためには、「アンカー(錨)」をしっかりと下ろしておくべきである。」

そして、その「アンカー(錨)」となるのが「基本」と「原則」だ、ということです。

■「基本」とは、内のこと。つまり、自分で決められる事、自分自身のこと。

■「原則」とは、外のこと。つまり、自分では決められない事、ルールのこと。

先に「原則」の方からお伝えします。

「原則」については、自分では決められないことなので、学ぶしかありません

何が本当に守らなければならないルールなのか、何を守れば成功するのか、何を守らないと失敗するのか、について。

ちなみに、私の言う「ルール」とは、人が決めた「法律」のことではありません。

もっと根源的に守らなければならないもの、守らなければ破綻するという確固たるルールがある、と私は感じています。

そして、そのヒントの多くを、「歴史」から学ぶことができます。

私は、「持続可能性」において、一番実績があり、多くの試行錯誤を続けて来たのは「生命」である、と思っています。

約37億年かけて、一番最初に生まれた原始生命体のLUCA。言ってみれば、このLUCAが、なんとか生き延びようとしてその試行錯誤の結果の1つが恐竜であり、植物であり、動物であり、そして人間である、と考えます。

したがって、この生命の「歴史」を見ると、どうすれば「持続可能」であり続けられるのか、のヒントを多く得ることができます。

もしかして、この「生命」の例は、ピンと来ないかもしれません。

であれば、もちろん「人」の歴史からも、十分多くのことを学ぶことができます。

現生人類も過去20万年に渡り、試行錯誤を繰り返し、今に至っています。

何をすれば繁栄し、何をすれば滅びるのか、そのヒントがたくさん歴史には詰まっています。

また、それを各時代ごとに体系化して整理して伝えてくれているのが「古典」です。

論語などを読むとわかると思いますが、人は数千年単位ではほぼ変わっていません。
もしかすると、20万年前からもほとんど変わっていないのでは、と最近は思っています。

生命の歴史を考えると、そりゃそうだよな、とも思います。過去の生命ももっと長い年月を掛けて変化して来た訳ですから。

人類が長い年月をかけて守り続けてきた、読み続けてきた本や言い伝えの中にこそ、守らなければならないルールのヒントが隠されているわけです。そのため、「論語」だけでなく、宗教なども私たちは研究対象としています。

これについてはまた別の機会に詳しくお伝えしたいと想います。

さて、本題に戻して、今日のテーマは「基本」の方。

今のような時代の転換点だからこそ、「自分自身」を確認することが大切で、結果的に自分を守ることになります。

奥底にある本当の「自分自身」は変化しないものです。

これを知れば、船のアンカーのように大きな波が来ても、流されずにすみます。

そして、その本当の「自分自身」から湧き出る価値観をベースにして、見出した方向性は、今後の進むべき道を指し示してくれます。

船が遭難しそうになっても、どっちに進めば陸がある、という方向がわかっている、ということは非常に大きな安心感をもたらします。

また、目標は遠くに設定すればするほど、その間のブレが小さくなる、というメリットもあります。

私は長野の田舎育ちで、いまだに毎年田植えや稲刈りに駆り出されますが、田植えの際に稲をまっすぐ植えようとした時のコツは、目標を遠くに設定することです。目の前の稲を見ながら植えると、グニャグニャ曲がってしまいますが、遠くの山を目指して進むとまっすぐに植えることができるわけです。これは、先日投稿した「劇的な成果をあげる『本質的な課題解決』のアプローチ法」でも書いた通りです。

ということで、明確な方向性を自分の中で持つことができれば、何か判断に迷う時もその軸で意思決定できるようになりますし、またこれから多くの情報が入り混じって来る際にも、自分にとって必要な情報の取捨選択も可能となる、ということはご理解いただけたと想います。

でも、この話をすると、「自分にとっての理想的な未来なんて描けない。」「別に理想なんかない」という方が少なからず、という方が結構多くいらっしゃいます。

しかし、本当に「未来」は描けないでしょうか?「理想」はないのでしょうか?

私は絶対に違うと確信しています。
全員必ず理想的な未来を、心の底に持っています。

なぜならば、子どもたちを見ていると、みんな自分の価値観を持ち、好きなこと、やりたいことを持っていることがわかります。それを考えると、人は絶対に自分の興味や関心のあることを持っている生き物だということがわかります。

「こうなりたい」は、「これをしたい」の延長ですので、「これをしたい」を突き詰めていけばかならずその答えが誰でも見えてきます。そう考えると、「こうなりたい」という「理想的な未来」は誰でももっている、ということを理解していただけるのでは、と思います。

だとすると、なぜこのような「理想的な未来」が描けない方が多いのでしょうか?

その理由は、社会構造がそうだったから、というのがその理由です。

その時代背景としては、日本政府もまた国民一人一人も戦争で失われた多くのものを取り戻すために、スピーディに多くのものを生産しなければなりませんでした。また、世界的な背景としても、機械の自動化が進み、より大量生産が可能となり、安価なものを世界に普及させていくことができました。

結果として、ビジネスの現場では「より早く、正確に、同じものを作る」ことが求められ、同様にそこで働く人材も同じものを求められました。したがって、教育現場でも「より早く、正確に、同じ人間を作る」ことが主眼だったと言えます。

つまり、自らの頭で考え、行動するようなことは不要であり、むしろ害悪でしかありませんでした。

これを保育園・幼稚園にあがる3歳から大学卒業までの約20年間、そして会社に入ってからも徹底されると、当然のことながら「考えない人」が大量に作られていたとしても全く不思議ではありません。

事実、ある自動車メーカーの管理職の方が「俺は、手と足がほしいんだ。頭はいらないのに・・・」という笑い話にもならない話も聞いたことがあります。

私が、親に反発したのもこのような時代的背景も大きな影響があったのだと、今思えば理解できます。

これがまさに「指示命令型社会」の時代的害悪です。

しかし、時代は変わりました。
私の言う「自立型共創社会」が始まっています。

そこで一番最初に重要になるのが「自立」であり、「自立」の第一歩が、自分の進むべき方向を決める、というステップだと考えています。

そこで、今日のテーマ「不安と混乱の時代に、自らを助けてくれるのは本当の自分」ということになるわけです。

ちなみに、この「本当の自分」を知るという難しい問いについて、比較的簡単にできるアプローチ法を私たちは研究し続けています。

なぜならば、企業を方向付ける際には、創業者や経営者の生まれ持っている価値観が重要で、そこを知らなければ、どんな机上で考えても、身も心も入り込まない形式上のビジョンになってしまうからです。

私たちは、「自分を知る」という目標に対して、心理学的アプローチ、脳科学的アプローチ、禅的アプローチという3つの方法論を持っています。不思議と共通する部分もあるのですが、この中でも一番お金もかからずに、手っ取り早く誰でもできる方法をお伝えします。

それが、禅的アプローチの「瞑想」です。

瞑想することで、本来の自分の持っていた価値観などを知ることができます。「感じる」ことができる、と言う方が正しいかもしれません。

最近は、googleなどのグローバル企業や、シリコンバレーのスタートアップ企業が業務の中に瞑想(マインドフルネス)を取り入れることで、知的生産性の向上と、精神疾患の予防と治療に役立っている、という記事を見たことがある方もいらっしゃるのではと思います。

私も、もう3年くらい朝晩10分づつ瞑想をしていますが、その効果と成果は計り知れない、と思っています。

なので、瞑想はぜひ身につけてほしいスキルの一つとして、今度詳しくお伝えしたいと思います。

 

そして、『いきいき!わくわく!働ける未来』へ。

ご参考になれば幸いです。

以上、キズナキャスト小林でした。

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今回の主な論点

①「どう働きたいのか?」の出発点は「自分自身」
②これからは、旧時代的な価値観と、新時代的な価値観の両方が入り乱れる混乱の時代
③転換期にあって重要なことは、自分自身のことと、ルールを確認すること
④稲をまっすぐ植えるには、目標を遠くに設定すること
⑤「より早く、正確に、同じものを作る」ことが求められた時代は、自らの頭で考え、行動するようなことは不要だった
⑥「自立型共創社会」で一番最初に重要になるのが「自立」
⑦「自立」の第一歩が、自分の進むべき方向を決めること

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